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NHKがネットフリックスと組んだ理由を考えてみる。

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NHKと言えば、最近は受信料の話題がいつも槍玉に上がりますが、公共放送として他の民放とは一線を画す存在として日本のテレビ放送の重要な役割を担っています。

例えば、朝の連続テレビ小説や大河ドラマなどは、スポンサーに左右されない番組作りが基本とされ、国民的番組として親しまれています。

また、最も重要なNHKの役割としては、災害や国政などに関する大きな事件が起こった時に迅速かつ正確な情報を提供し、国民の安全を守るという役割があります。

つまり、あくまでもNHKは「公共的」役割を期待されている、というわけです。

 

そんな日本の「公共」放送であるNHK が、Netflix(ネットフリックス)と組んで共同で新番組を製作すると発表しました。

特報:NHKとNetflix、共同製作ドラマを公開(日経ビジネスオンライン 2016/11/16)

NHK(日本放送協会)と米Netflix(ネットフリックス)が歴史ドラマの共同製作を進めていることが16日、わかった。

ドラマは12月中旬、テレビ放送とネット配信でほぼ同時に世界規模で流す予定。ネットフリックスはパソコン、スマートフォン、テレビなどで映画・ドラマを視聴できる「ネットTV」の世界大手。一方、テレビ放送の受信者から徴収する受信料収入で運営するNHKは、ネット対応に消極的な姿勢を見せてきた。そんな対照的な両者の異例のタッグを機に、日本でもネット対応を主軸に据えた「テレビ新時代」が到来することになりそうだ。

ネットフリックスとは、アメリカで1990年代の終わり頃に月定額制DVDレンタルといった手法で人気を集め、急成長した比較的新しい企業です。

2000年代後半からはコンテンツのストリーミング配信を始めたことで、今ではお馴染みとなりつつある「ネットTV」の雄として、HULUとともに、ストリーミング配信の世界最大手の一つとして名を馳せています。

 

 

ところでなぜ、公共放送であるNHKがそのような一企業、それもアメリカのカリフォルニアという公共性とは縁のない土地の企業と組んだのでしょうか?

これって、結構疑問です。

 

まずはじめに言っておかなければならないのは、NHKにはNHKオンデマンドというインターネットで番組を配信するサービスを持っているということです。

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NHKは、2008年から放送した過去の番組を中心に「見逃し番組」「特選ライブラリー」という形で、有料でストリーミング配信をしているのです。

すでに100万人以上の会員を抱えており、そのNHKがわざわざネットフリックスと組むわけですから、何か事情があるに違いありません。

 

まず1つ目の事情としては、現在の放送法があります。

それによるとNHK受信料を支払わなければいけないのは「放送を受信することのできる受信設備を設置した者」に対してであり、それはつまりワンセグ視聴ができる携帯電話、パソコン、カーナビからは受信料を徴収できますが、iPhoneのようにワンセグ視聴できないスマートフォンは「対象外」とみなされているのです。

参考:パソコンや携帯電話(ワンセグ含む)で放送を見る場合の受信料は必要か(NHKオンライン Q&Aより)

 

従ってNHKは、テレビ向けに番組を製作・放送することが前提で番組づくりをすることが大原則で、インターネットで見られることを前提とした番組作りはすることができません。

余談ですが、NHKがネットTV事業者と直接提携することも、現行の放送法に抵触する可能性があるため、ネットフリックスと提携するカナダのDon Carmody Televisionと、オランダのFATTという番組製作会社2社と共同製作契約を結ぶ形をとっています。

 

2つ目の事情としては、今回NHKとNetflixは両者で製作費を分担し、国内のテレビ放映権はNHKが、海外のネット配信権はネットフリックスがそれぞれ押さえるというやり方で、番組を配信することになっています。

NHKがNHKオンデマンドを自前で持っているにしても、それはあくまでも国内のユーザーが中心であり、今回Netflixと組むことで、世界に一斉に配信できるという大きなメリットがあるのです。

今回、両者が共同で製作するのは歴史ドラマで、太平洋戦争終結後にA級戦犯らの罪を問うた「東京裁判」を舞台にした内容となることがわかっており、世界的に受けそうなテーマともなっています。

 

これは推測に過ぎませんが、上の2つの事情を加味すると、Netflixと組むことで、NHKは「日本の公共放送テレビ局」という古い枠から飛び出そうとしているのではないかと思います。

電波放送だけでは、国内だけで留まってしまうことは火を見るより明らかです。NHKは自らインターネットの世界に飛び込み世界中の人とアクセスできることの可能性にかけたわけです。

 

しかし、このような新しいことに挑戦できるのは、NHKは日本の放送局の中でも断トツの資金力を誇っているからかもしれません。

(参考:平成27年度放送局売上げ NHK-6868億円 日本テレビHD-3070億円 東京放送HD-3485億円 フジメディアHD-6405億円 テレビ朝日HD-2807億円 テレビ東京1362億円 各局平成27年度決算資料より抜粋)

 

歴史を紐解けば、イタリアルネサンス期では国を牛耳るほどの資産家であったメディチ家が芸術家を厚く保護したことは有名な話です。

また、現在世界で最も輝いている場所と言っても過言ではないシリコンバレーでは、Yコンビネーターやセコイヤキャピタルに代表されるベンチャーキャピタルが、その資金力にものを言わせて世界中の優秀な才能を集めITの新しいサービスを続々と生み出しています。

 

結局、「リスクをとれる」のは資金力のある組織のみです。

 

公共放送で、受信料をもらって番組を作ることができるという、作り手側としてとても恵まれた環境にあるNHKですが、実は自らそのような大勝負に出て行っていることは、相当の裏付けがある行為と言っても良いかもしれません。

NHKは皆様の受信料と、テレビ業かの中でも最も有能な社員たちに支えられているのですから、ぜひとも成功してほしいと思います。

 

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