広告ブロッカーが有料アプリ1位!嫌われる広告はこれからどう進化していくのか

■App Storeの有料ランキング1位が広告ブロッカー
iPhoneを手にしたのがちょうどiPhone4が出た2010年頃。当時はまだスマートフォンの黎明期でiPhoneを使っている人は全体の1,2割程度だったかと思う。
当時は全てが新鮮で、次々と色々なアプリをダウンロードしてみては試してみるということをしていたが、今ではほとんど既存のアプリを使うのみで新しいアプリをダウンロードするということがなくなった。
久々にApp Storeを開いてみて、有料のアプリを見てみるとすべてのカテゴリーのランキング1位が「広告ブロッカー」というアプリであった。
(2016/11/8現在)
http://www.apple.com/jp/itunes/charts/paid-apps/
スマートフォンのゲームでApp Storeランキングで上位を取ることで、株価が爆発的に上昇することがあるように、各社が死に物狂いでランキング上位に入るように競争をしている。そんな中、有料アプリで総合1位を取ることはよっぽどのことがない限り起こり得ない。ましてあのマインクラフトを追い越しての1位は相当凄い。
市場がスマートフォンの広告を相当不快に感じているということを痛感させられる結果である。
詳細を見るとSafariのブラウザ上でバナー広告に特化してブロックするものらしい。web広告を扱っている会社からするととんでもないアプリを作ってくれたなと思うだろうが、このアプリが1位を取るということをもっと真摯に受け止めなければならない。
というか自分たちの仕事は人にとって相当不快なことをしていると思うのは辛い。
■なぜweb広告をそこまで不快に感じるのか?
当然の話だが元々広告がなかったところに大量に詰め込まれているからだ。
元々無料であったサービスが急に有料にされたら不快に感じるのと同じだ。
前述の通り、私はスマートフォンのEarly Adopterだったのでスマートフォン黎明期と現在を比較すると、その広告の質と量の違いを凄く感じる。
バナー広告に限らず、記事広告、動画広告、アフィリエイト、SNS広告など種類が増えていることもあるが、なんといってもリタゲされることが不快に感じる。
■リタゲは本当に人のことを思っているか!?
ちょうどスマートフォンの普及の時期とDSP/SSPの発展の時期が重なり、多くの広告がRTBでリタゲされている。
「転職 求人」などと検索すると、それ以降大量の求人サイトの広告に追いかけられるだろう。
リタゲとは過去の検索履歴や行動履歴に合わせて、ユーザーが興味のありそうな広告を見せるという技術だが、表示の頻度、タイミングの設計が甘い。換言すると「空気を読めていない」と言える。
「カレーが好きだ」と言って、連続してカレーを食べ続けることは嫌だろう。良かれと思ってオカンがかなりの頻度でカレーを作ることはなかっただろうか?「あんたカレー好きや言うてたやろ!?」と。こういうオカンはリタゲと同じ思考をしている。
また、好きなだけでなく、その前後の条件も関係してくるはずだ。
カレー、とんかつ、焼肉、カレーはNGだが、カレー、そば、焼き魚、カレーという順番ならOKということもあり得るだろうが、この順番まで考えられているとはまだまだ思えない。
■まとめ
リタゲとはブラウザ上の行動分析に基づいて配信されている。
だが、なぜブラウザ上でそのような行動を取ったのかという背景はわからないまま、事実に基づいて判断するため「空気を読むことができない」。
しかし今後さらに情報が蓄積されていき、膨大な数のデータと個人の特定、行動パターンのカテゴライズが進んでいき
この地域、この場所でカレーを検索したあなたが食べたくなるのは30分後にとんかつですね!
というように最適なタイミングで出てきたサービスだけを選んでいくWEBに行動操作される時代もくるかもしれない。