「お客様の声」動画を作成する際の5つの流儀

最近、お客様の声の動画を作成したい、というニーズが多くなっています。
大手企業のコーポレートサイトを見て、自社でも作ってみたいと思う経営者やマーケティング担当者の方も多いのではないでしょうか。
今回は、事例を交えながらその作成のポイントについて紹介したいと思います。
1、「お客様の声」動画とは
イメージのつく方が大半と思いますが、まずはじめに「お客様の声」動画を紹介いたします。
①東京商工会議所
②メリービズ
こういった動画を作成する際には、何に重点を置くべきでしょうか。
次の章では、そのポイントを紐解いていきたいと思います。
2、「お客様の声」作成の5つのポイント
①1分半〜2分間の尺で作成する
導入事例の用途としては、WEBへの掲載がメインになるかと思います。
その場合は、2分間で収まるように作成することをお勧めいたします。
理由は、動画の尺と視聴者のエンゲージメントが関係しています。
以下の図が示す通り、WISTIAの調査では、動画の尺が2分を越えるあたりから、エンゲージメントが低下するという結果が出ています。※1
※1 引用:WISTA
これはお客様の声に限らず、WEBへの掲載をご検討の際には、第一にチェックしていただきたいポイントです。
②視聴者が共感するストーリーを作る
共感の有無は、そのストーリーに左右されることは言うまでもありません。
皆様は、共感するストーリー作りの鉄則「30:30:30の法則」をご存知でしょうか。
これは、仮に1分半の尺で動画を作成する際の30秒毎のストーリー展開を考えるための法則です。では、各30秒で何を訴求すべきか。
答えは、以下のようなイメージです。
全体の流れ:顧客紹介→課題→解決ポイント
1)最初の約30秒間:お客様はどういった業種・職種なのかを紹介する
2)次の約30秒間:お客様が直面した課題について紹介する
3)最後の約30秒間:お客様の課題を自社サービスがどう解決するのかを紹介する
では、1の東京商工会議所の事例を用いて「30:30:30の法則」を見ていきましょう。
1)最初の約30秒間
導入部分が流れた後に、社長が登場し、事業紹介をしています。
社員の方の業務風景を流すことで、視聴者もよりイメージが湧きます。
2)次の約30秒間
次は、直面した課題や悩みを伝えていきます。
課題や悩みは、「うちもあるある・・・」といったターゲットに合わせた事例を準備できると良いです。
3)最後の約30秒
そして最後は、その課題や悩みを自社サービスはどう解決するのか、を伝えていきます。併せて、お客様の今後の方針等を掛け合わせるとより効果的に演出できます。
ただ、素晴らしいストーリーであっても、導入部分で視聴者の心を掴まなければ、せっかくの良い動画も視聴されません。
そこで重要になってくるのが、
③導入部分にこだわる
動画が視聴されるかどうかは最初の5秒間で決まると言われています。
その最初の5秒間で心を掴むために、基本的にはやり方としては、「キャッチなテロップ」を用いることが多いです。以下の図のようなイメージです。
キャッチな言葉選びの手法について気になる方は、以前の記事をお読み下さい。※2
④宣伝色を排除した表現を意識する
お客様の声を作成していると、「サービスの詳細説明は入れた方が良いか」
と言う質問を受けることも多々あります。
勿論、詳細説明を入れることは悪いことではないですが、お勧めはしていません。なぜなら、購入意欲を下げてしまう可能性を秘めているからです。
Brightcove社のレポートでは、宣伝色が強すぎるプッシュ型コンテンツを視聴すると、33%はそれ以上その企業のコンテンツを視聴しないだろうと回答し、29%の人は購入意向が下がり、20%は知人に対してその企業やブランドをおすすめしないと回答しています。※3
こういったデータを踏まえると、お客様の声とは、あくまで伝えるべきことは、サービスを導入したことによって起こった変化に絞ることが良いのかもしれません。
⑤共感できるカテゴリー分けをする
最後は、動画の作成というよりもWEBでの見せ方といった内容です。
上記の①〜⑤を実践したとしても、視聴者がそのページに辿り着かない、辿り着いたとしても自社とは全くかけ離れた、業種・従業員規模の動画を見ても共感は得られません。
私のお客様がベンチマークされている企業のNo.1は、Salesforceです。
「最終的にはこういった構成にしたいよね」とよく仰っています。
業種、活用用途、従業員規模でカテゴリー分けされています。
これだと視聴者が辿り着かなかったり、ミスマッチが起きることも解消できそうです。
※4 引用:Salesforce お客様の声
3、まとめ
「お客様の声」動画を作成する際のポイントは以下の5つです。
①1分半〜2分間の尺で作成する
②視聴者が共感するストーリーを作る
③導入部分にこだわる
④宣伝色を排除した表現を意識する
⑤共感できるカテゴリー分けをする
今後、制作をご検討される際は是非、意識されて下さい。
参考
※1 WISTIA 「How Long Should Your Next Video Be?」
https://wistia.com/blog/optimal-video-length
※2 GoooD 「動画のキャッチコピーの重要性」
※3 brightcove 「The Science of Social Video」
http://go.brightcove.com/marketing-social-research
※4 Salesforce コーポレートサイト
https://www.salesforce.com/jp/customers/
※ VIDYARD 「ビデオを使用して強力な顧客の声を作成する方法」
https://www.vidyard.com/blog/how-to-create-powerful-customer-testimonials-using-video/