BtoB企業はなぜCMを流すのか?メリットとポイントを事例と合わせて解説

最近、BtoB向けビジネスを行う企業のCMを見かけることが多くなりました。本来、BtoBは、一般消費者向けのビジネスではなく企業向けのビジネスです。その為、一般消費者からの視聴が多いCMを戦略として打つことは効果が薄いのではないかと考えられる方もいるかもしれません。
しかし、近年BtoBのCMが増えてきています。セキュリティーシステムやクラウドサービス等のCMを見たことある方もいらっしゃるのではないでしょうか。それでは、一体BtoBビジネスをCMで流すことにはどの様な意味があるのでしょうか。今回はBtoBビジネスでCMを配信することのメリットや配信する場合のポイントを解説していきます。ぜひ検討している企業様は参考にしてください。
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BtoBビジネスをCMで流す目的は?
BtoB企業がCMを流す大きな理由は、企業対企業の取引だとしてもビジネスを動かしているのは結局、「人」であるということです。ターゲットとなる企業に商品やサービス、もしくは企業自体の認知を拡大していく上で、ターゲット企業に在籍している「人」の目に触れるためにもCMのようなマスで配信できる方法は現在でも効果的です。
BtoBビジネスのCMの目的は、二種類に分けられます。「1、会社自体の良いイメージを伝えるため」と「2、商品を宣伝するため」の二つです。この二種類の目的それぞれのCMによる効果をご説明します。
「企業の良いイメージを伝える」目的のCMの場合
企業ブランディングを向上させていく上で、CMは一つの有効な策となります。CMを活用して、企業の雰囲気を上手く伝えることに成功すると、展示会や商談などで他社と交流する際に先方は自社の雰囲気を説明する必要なく、商品についての説明をすることが可能になります。最初の壁が無い分、CM戦略を行っていない企業より交流がスムーズに行えます。
また、何をしているのか分からず聞いたことの無い企業と、何をしているのかは分からないけど何となくのイメージは知っている企業があったとしたら、人はどちらに集まるでしょうか。それは、やはり後者でしょう。CMはその企業への信頼感を獲得する上でも有効になります。
もちろん、CMの中で何を伝えているかということが重要なポイントになってきます。CMの中で企業が行っている社会貢献や社員の雰囲気を知ることが出来たら、就活生やその家族に良いイメージを持つことが出来、親近感が生まれるでしょう。
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「商品の宣伝をする」目的のCMの場合
まだ、創業したばかりのベンチャー企業等では、例え良いサービスを持っていたとしても、相手に取引したいと思わせる信頼を得ることが大切です。その手段に、CMは効果的です。これまで無かったサービスの知名度を一気に広げることが出来、そこから信頼に繋げることが出来ます。
BtoBビジネスでCMを打つメリットは?
決裁権を持ったユーザーに訴求できる
近年ネット広告の成長が著しく、ネット広告を活用する企業も増えてきています。その中でCMを利用することはどのようなメリットがあるのでしょうか。テレビCMの場合のメリットとしては、やはりマスへの配信が可能な点です。
やはりネット利用が普及され、テレビ離れと言われるようになっている現代でも多くの人はいまだにテレビを視聴しており、その中でも企業の決裁権を持った中堅以上の人は若者以上にテレビを視聴しているでしょう。
やはりBtoBビジネスのマーケティングをする上で、決裁権を持った人間に訴求することは重要なポイントとなり、その層に対して訴求しやすいテレビCMは有効であることがわかります。
信頼感を獲得できる
テレビCMを利用できる企業ということは、視聴しているユーザーからすると、真っ当な事業を運営している信頼できる企業・サービスという印象を与えることができます。つまり、その企業の信頼感につなげることができるので、他広告と比べてもメリットとなる点です。例えばある企業が何かしらの商品購入を検討した時に、テレビCMを出しており名前を知っている企業と知らない企業だと、前者の知っている企業を選ぶでしょう。仮に全く同じ機能であっても、信頼感を獲得しているか否かで大きな差が生まれます。
伝えられる情報量が多い
テレビCMのメリットの一つに動画であるため伝えられる情報量が多い点が挙げられます。例えば、商品の説明を伝えたい時に少し複雑なサービスの場合だと、文面や画像だけだと理解の促進を進められない可能性があります。一方で動画を活用し、実際活用されるシーンなどを紹介することで、ユーザーの理解は進み、紹介された商品の興味・購入につながる可能性を高めます。
BtoBビジネスでCMを打つ上でのポイントは?
テストマーケを実施する
テレビCMを実施しようとする時に必ず考えることはどれくらいの予算をかけるかです。制作費用と放映費用のどちらも内容次第ではかなりの予算が必要になります。その中で、効果が出るのかわからないのに、いきなり実施することには勇気がいるでしょう。まずは小額でテストマーケ的に実施することが重要です。例えば関東圏でのCMは高い放映費が発生するので、まずは地方で小額でも実施できるところを選択し、制作費用もそこまで大きく利用せず、どのような訴求が反応良いのかを検証してみることが大切です。
地方で成功した訴求に合わせて、徐々に放映場所や制作内容に利用する費用も高くしていくことが良いでしょう。他にも最近ではネットCMのような、動画サービスなどでCMを流す方法もあるので、そのような方法を検討することも一つでしょう。
また、テストマーケを実施する上ではどのような効果検証をするのかを事前に決めることも重要になります。テレビCMを配信している地区での商品購入数を見るのか、検索数を見るのかなど事前に検証する指標を決め、CM配信前と後で比較することで効果は見えてくるでしょう。
CM配信後のフォロー体制を構築
CM配信後のフォロー体制は重要なポイントになります。例えば、あるユーザーがCMを視聴し、興味を持って商品購入を検討したと思います。その時にCM配信企業がそのような興味を持ったユーザー向けのイベントやページを用意しておくと、実際に購入し、商品利用までつながる可能性を高めます。
テレビCMを配信した後にどのようなフォローが最適なのかを考えてみましょう。商品によってフォロー方法は変わるかと思うので、実際にCMを視聴したユーザーの行動を想定して、考えてみると良いでしょう。
BtoBビジネスのCM紹介
ここでは、実際にBtoBでCMを流している企業についてご紹介したいと思います。
SKYSEA
Sky株式会社 SKYSEA CLIENT VIEW 藤原竜也出演 UFO編(30秒)
Smart HR
SmartHR テレビCM「年末調整の時短レシピ」30秒ver
ビズリーチ
Salesforce
最後に
CMで見かけるBtoB企業のCMには、「企業の認知度向上」と「商品の信頼度を上げる」という目的がありました。これらのCMを作る上で、注意しなければならないことがあります。それは、「個性的でありすぎない」ということです。確かに、CMで打ち出した内容が個性的であれば、視聴者の記憶には残りやすいでしょう。しかし、それだけではBtoBビジネスの戦略としてのCMは不十分です。
なぜなら、親しみや信頼を持ってもらう必要があるからです。その為には、個性以外に「普遍性」を持っていることや「社会性」をアピールすることが大切です。この「個性」と「普遍性」を兼ね備えたCMを作ることで、BtoB企業のCM戦略はより良いものになるでしょう。