コカ・コーラ社が手がける、竹内涼真×Instagramの「涼真ストーリーズ」!ストーリーってる女子を狙うその背景は?

今や世界的なSNSであるInstagram。その人気の理由の1つがストーリーズと呼ばれる機能であり、広告としても活用されています。今回はそんなストーリーズ広告をふんだんに活用したコカ・コーラ社により「涼真ストーリーズ」について、その内容と意図を解説していきます。
Contents
Instagramのストーリーズ広告とは
Instagramのストーリーズ広告の説明を行う前に、機能としての「ストーリーズ」の説明をしていきます。
Instagramのストーリーズとは
今や世界的なSNSと言っても過言では無いInstagram。国内でも月間のアクティブユーザー数は2,000万人となっており、20代、30代を中心に多くのユーザーを抱えているプラットフォームです。そんなInstagramが人気を集める理由として「ストーリーズ」と呼ばれる機能があります。通常、Instagramというと「綺麗な画像や動画」が真っ先に想起され、実際にInstagramのフィードを覗いてみると、ハッシュタグとともに「特別感」が溢れる数多くの画像や動画が投稿されています。
そんな投稿とは別機能である「ストーリーズ」は「24時間で消えてしまう」という特徴があり、通常の投稿とは異なり「日常感」を感じる内容となっています。また、通常のフィードとは別枠でアプリ画面上部にストーリーズは表示されます。
そういった意味で、通常の投稿よりも緩く、そして気軽に画像や動画をアップロードすることができる点が人気の理由です。
「人気機能・ストーリーズ」を活かしたストーリーズ広告
そんなInstagramの人気機能・ストーリーズを活かした広告がストーリーズ広告です。ストーリーズ広告は、ユーザーがフォローしているユーザーのストーリーズと馴染むように表示されるため、広告色が非常に薄く、ユーザーにとって違和感を感じにくい仕様となっています。また、ターゲティング自体も従来のInstagram広告なさながら様々なデモグラフィック情報から細かに設定を行うことが可能です。
そして、出向目的自体も「ただ、リーチを広げる」という目的だけではなく、「コンバージョン」や「アプリインストール」などユーザーの獲得を目的とすることも可能であり、ストーリーズ広告にCTAなどのコンバージョン導線を設置することも可能になっています。
竹内涼真×Instagram (ストーリー)、コカ・コーラ社のストーリーズ広告
そんなストーリーズ広告を駆使した最新事例として、コカ・コーラ社のストーリーズ広告を紹介します。
JC・JK受けが最強?竹内涼真×Instagram (ストーリーズ)
女子中高生向けのマーケティング支援を手がける株式会社AMFが発表した「JCJK流行語大賞2017」によると、ヒト部門で、人気俳優「竹内涼真」さんが2位、アプリ部門で、「Instagram (ストーリー)」が1位となっています。後者の「Instagram (ストーリーズ)」に関しては、上記のようにInstagram の人気機能1つであり、「ストーリーってる!」と会話の中で使用がされるほどです。そして、前者のヒト部門2位に「竹内涼真」さんがランクインした理由について、以下のように分析なされています。2位の「竹内涼真」さんがブレイクしたポイントは、“リア恋枠”です。芸能人でありながらリアル(身近)にいそうな雰囲気が、付き合えるかもしれないと淡い期待を抱くことができると人気になりました。
以上から、Instagram・ストーリーズが元来持ち合わせている「日常感」という強みと、人気俳優「竹内涼真」さんが醸し出す「リア恋」、なんとなく感じる親近感が合わさった、現時点ではこれ以上無い、最高の組み合わせと言うことができるでしょう。
竹内涼真×Instagram (ストーリーズ)によるコカ・コーラ社のマーケティング
今回、竹内涼真×Instagram (ストーリーズ)によりコカ・コーラ社が広告しているのは「ザ・タンサン」という「おいしさにこだわった強炭酸」を売りにした商品で、CMを見たことがある方も多いのでは無いでしょうか。
【ザ・タンサン】 TVCM「ストロングインパクト 登場」篇 15秒 THE TANSAN TVCF
そして、そんな「ザ・タンサン」のストーリーズ広告として、「涼真ストーリーズ」が現時点(2018年5月4日)では4つ公開されています。
【ザ・タンサン】 涼真ストーリーズ 寝起き篇 – YouTube
【ザ・タンサン】 涼真ストーリーズ 楽屋篇 – YouTube
【ザ・タンサン】 涼真ストーリーズ ジョギング篇 – YouTube
【ザ・タンサン】 涼真ストーリーズ 風呂上り篇 – YouTube
撮影は竹内涼真さんが自身でカメラを片手に行い、まるでプライベートを一緒に過ごしており、隣にいるかのような親近感を得ることができる内容となっています。
しかし、「ザ・タンサン」という強炭酸を売りにした商品と、「涼真ストーリーズ」のターゲットであるJCJKが「ミスマッチではないか」と感じた読者の方もいるのでは無いかと思います。確かに「炭酸」というと、「男性色が強いイメージ」「JCJKが進んで飲むイメージが無い」と感じます。
しかし、このミスマッチ感は「あえて」であり、コカ・コーラ社の「新しい市場を作っていく」という意気込みのようにも筆者は感じました。また、TVCMはマスに対して情報を届けるためターゲットは「男性」、一方で「JCJK」というターゲットに広げていくためにInstagramのストーリーズ広告への展開、とターゲットに合わせて意識的にクリエイティブを変更しているものと思われます。
「ザ・タンサン」自体が提供している本質的な価値は「スッキリする」「シャキッとする」等の「爽快感」であり、これはJCJK問わず、多くの人に受け入れられるニーズだと思います。
ただ、そんな「爽快感」を得るための方法として、従来のJCJKは炭酸を「選ぶ理由がありませんでした。そこで、「選ぶ理由」を作るために、「涼真ストーリーズ」という広告を通して、JCJKへアプローチをしていく、つまり新しい市場を作りにいっているのでは無いかと感じます。
以上、ストーリーズ広告と実例としてコカ・コーラ社の「涼真ストーリーズ」をご紹介しました。今後の成果について非常に気になるとともに、その手法自体も目をみはるものがあります。「商品自体」というよりは「その商品が提供する本質的な価値は何か」を見極める、マーケティングの醍醐味とも言えるのでは無いでしょうか。