YouTubeの視聴者を知ろう!年齢層や性別を分析するコツ

特に分析することもなくYouTubeに動画を投稿しているだけでは、自社ブランドや商品、サービスをアピールする動画マーケティングとしては不十分です。年齢層をはじめ、視聴者のさまざまな分析を行うことで、効果的な動画マーケティングにつなげられます。
今回は、YouTubeをはじめとした各動画メディアの視聴者層の情報や、自社の動画を分析するにはどの点に注目すれば良いかについてご紹介します。
Contents
YouTubeなど動画メディアごとの視聴者年齢層を知る
自社ブランドやサービスのターゲットに興味を持ってもらえる動画を作るためには、各動画メディアごとの視聴者の主な年齢層など、YouTubeをはじめとした各動画メディアの特徴を押さえることが大切です。YouTube以外では、FacebookやInstagramを利用して動画マーケティングを行うことができ、それぞれの特徴を知ることでどのような戦略を立てれば良いのかが分かります。
以下、総務省情報通信政策研究所が平成30年に行った調査の結果をベースに、動画メディアごとの特徴をご紹介します。
全年代の利用率
YouTubeとFacebook、Instagramを比較してみると、平成29年の全年代の利用率はYouTubeが72.2%でトップでした。動画マーケティングを行うなら、YouTubeへの投稿は欠かせないと言えます。次に利用率が高いのはFacebookの31.9%で、Instagramが25.1%と続いています。
ただし、Facebookは平成27年からほぼ横ばいなのに対し、Instagramは平成27年の14.3%から大きく伸ばしています。これら3つの動画メディアは、幅広い年齢層で利用率が高いため、積極的な利用を検討しましょう。
これら3つ以外の動画メディアでは、ニコニコ動画が18.9%と高い利用率を示しています。また、動画がメインではないもののLINEが75.8%とYouTubeよりも高い利用率を示しており、ライブ配信サービスのLINE LIVEを活用した動画マーケティングが可能です。
年代ごと、性別ごとの利用率
全年代の利用率だけでなく、年代ごとや性別ごとの利用率を見ると、動画メディアごとの特徴がより見えてきます。以下の表は、総務省情報通信政策研究所による調査結果から一部を引用したものです。
10代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | |
YouTube | 93.5% | 94.0% | 87.4% | 80.4% | 64.0% | 32.2% |
21.6% | 52.3% | 46.6% | 34.9% | 26.7% | 10.5% | |
37.4% | 52.8% | 32.1% | 23.7% | 14.7% | 4.3% |
YouTubeは若年層だけでなくシニア層の利用率も高く、幅広い世代から利用されていることが分かります。自社のターゲットに合わせた動画を制作することで、多くの視聴者に興味を持ってもらうことが可能です。
Facebookでは、20~30代の利用者の割合が高くなっています。特に30代の利用者が占める割合が他の動画メディアより高く、比較的高い年齢層の視聴者が多いことが分かります。10代の利用率が50代より低い点も、注目ポイントです。
InstagramはFacebookとは反対に、10~20代の利用率が特に高くなっています。10代と20代の利用率を合わせると、Instagram全体の半分以上を占めるため、若年層へのアプローチが有効なことが分かります。
他の動画メディアでは、ニコニコ動画がInstagramと同じく若年層の利用率が高く、LINEはYouTubeと同じく幅広い世代に利用されています。
性別ごとに見てみると、YouTubeやFacebookに大きな男女差はないものの、Instagramとニコニコ動画には偏りがあります。Instagramでは男性の利用率が19.4%、女性の利用率が31.0%、ニコニコ動画では男性が23.1%、女性が14.5%です。
出典元:総務省情報通信政策研究所
自社動画がどの年齢層に見られているかを知る
上記にてご紹介した各動画メディアの特徴をつかむことも重要ですが、動画マーケティングを成功させるには、自社の動画がどの年齢層の視聴者に見られているかを分析することが大切です。
例えばYouTubeでは、投稿した動画やチャンネルの分析ができるアナリティクスを参照することで、さまざまな情報が分かります。総再生時間やチャンネル全体の視聴回数だけでなく、どの年齢層やどの性別の視聴者が多く視聴しているのか、どの動画が特に人気を集めているのかなども分かるため、自社のターゲットを知るための詳細な分析が可能です。
他には、どの動画が特によく見られているのか、どんなジャンルの動画がターゲットに好まれているのかなども分析できます。例えば、動画ごとの視聴回数や総再生時間、平均視聴時間が確認できるので、視聴回数だけでなく、複数の視点で人気かどうかを判断することが可能です。
また、ジャンルの近い動画をグループ化し、グループごとに動画の情報を比較することもできます。この機能を使えば、どのタイプの動画が自社のターゲットには好まれるのかという傾向をつかみやすくなります。
動画がどの層にどれだけ見られているのかが分かれば、その後の動画マーケティングの方向性をスムーズに決められるようになります。もともとターゲットの年齢層や性別を定めているのなら、その視聴者層から好まれているタイプの動画を今後も制作する、その視聴者層の反応があまり良くないなら改善を施すなどの対策が可能です。
どのターゲットにアプローチすれば良いのか分からない状態であれば、アナリティクスを見て特に反応が良いと分析できる年齢層、性別の視聴者にアプローチできるよう動画の方向性を考えます。
チャンネル登録者の好みを参考にするのも、有効な手段のひとつです。チャンネル登録者はチャンネル登録をしていない視聴者と比べて約2倍、チャンネルの動画を視聴するというデータがあるため、ある程度動画の視聴回数やチャンネル登録者数が増えてきたら、チャンネル登録者にターゲットを絞って動画を制作することでよりつながりの深いファンになってもらうことができます。
視聴者はどこから辿り着いて動画に何を求めているかを知る
動画マーケティングでは、視聴者がどこを経由して動画を見つけたのか、何を求めてその動画を視聴したのかを知ることが大切です。動画までの経路が分かればより多くの視聴者に見てもらうための対策を考えることが可能で、視聴者の求めていることが分かれば今後の動画制作のヒントになります。
例えばYouTubeでは、アナリティクスを見ることで「トラフィックソース」が分かります。トラフィックソースとは視聴者がどこから辿り着いたのかを調べるもので、どの検索ワードから辿り着いたのか、あるいはどの関連動画から辿り着いたのか、TwitterやFacebookなどのSNSから訪れたのか、動画が埋め込まれているサイトで視聴したのかなどを分析できます。
例えば、SNSからの流入が多いのだとしたら、SNSを活用したマーケティングを強化する方法が考えられます。また、自社サイトに埋め込んだ動画を再生して欲しいのにそのトラフィックが少ないのであれば、サイトを改善し視聴者数を増加させる施策の検討が必要です。
YouTubeでは、トラフィックソースだけでなくどの時間に視聴が多いのか、どの地域からの視聴が多いのか、どのデバイスで多く再生されているのかなどの情報を確認でき、これらの情報を分析することで「どんな人がなんのために動画を見ているのか」が想像できます。
例えば、飲食店のスタッフの仕事風景を紹介した動画が夕方にスマホで見られているなら、同業者が仕事帰りに癒しを求めて見ているのかもしれません。そうなると、同業者が見て楽しい動画をより多く制作することでファンを増やし、ブランドの認知度を上げられる可能性があります。
年齢層などの視聴者情報を分析して次につなげよう
動画マーケティングでは、動画メディアごとの特徴を押さえてそれぞれに合った施策を打つことに加えて、自社の動画はどのような視聴者に多く見られているのかを分析することが大切です。上記ではYouTubeを例に挙げましたが、その他の動画メディアでも詳細な分析が可能なので、まずは年齢層や性別など分かりやすい要素の分析から始めてみてください。