ショートムービーが企業PR・ブランディングに欠かせない理由とは

ショートムービーという動画形式をご存知でしょうか。もとは商業映画の世界で生まれたもので短編映画とも呼ばれるこの形式は、かつてはあのディズニーも主体としていたほど、一般的なものです。実はこのショートムービーという形式が動画広告の世界にも浸透してきています。
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ショートムービーとは
そもそもショートムービーとは、文字通り「短編映画」のことを意味しています。ただし厳密にその長さの定義はなく、商業映画の中でもさまざまです。 動画広告の市場が盛り上がる中で、実はこのショートムービーが企業のプロモーションやブランディングにも活用され始めています。そのような流れかから、ブランデッドムービーといった呼び方もされ始めているほどです。
ショートムービーが流行する理由
もともと動画は、テキストや画像などの情報と比べて伝達できる情報量が圧倒的に多いと言われています。また、ストーリーを様々な手法で表現できたり、音楽など聴覚に訴えかけることもできることから、人々の感情に強く訴求したり共感を誘うような効果が見込めます。
また、ショートムービーが流行する背景には現代の消費者行動の変化も大きな要因としてあげられるでしょう。これだけ様々なサービス・商品があふれるなかで、購買の主導権は消費者に移りつつあります。購買の判断基準はもはやサービス・商品の機能・特徴だけではなく、その裏にあるストーリーや企業理念まで拡張しています。このような流れの中で、消費者に企業のメッセージを訴えかけ、共感してもらい、ファンになってもらう上で、エモーショナルな表現まで可能なショートムービーは適していると言えます。
今後の可能性
ショートムービーについて第一線で活躍する俳優の別所哲也氏は、アジア最大級の国際短編映画祭ショートショート フィルムフェスティバル & アジア代表(以下、SSFF & ASIA)としてその普及を促進しています。SSFF&ASIAはあの米国アカデミー賞が公認している国際的な短編映画祭ですが、2016年からは企業がブランディング目的で作成した短編映画を表彰するBranded Shorts of the Year を開催しています。
日本のショートムービーをリードする別所氏がこのような賞を設立した背景は、ネット広告代理店大手オプト社の代表である金澤氏とのやりとりから知ることができます。
別所:そうですね、新しい領域がいかに広がっても、従来のマス広告の仕組みや効能が消えるわけじゃない。ただ、機能をうたって売れる時代ではないので、冒頭で金澤さんもおっしゃったように、やはり企業の世界観や目指す未来像をもって人の共感を得ることが大事になっていくし、そこではクリエイターが得意としてきた「物語をつくる力」が大きく貢献するのでしょう。突き詰めると、人間は皆、物語る動物だと思うんです。自分の驚きや共感を、誰かに伝えたい。
引用元: 「 ブランデッドムービー は必ずメインストリームになる」:オプト 金澤大輔氏 × SSFF & ASIA・別所哲也氏
つまり、ものが溢れ、サービス・商品のスペックで売れる時代ではない中で、消費者に企業の理念や目指すところに共感してもらう必要があり、そこでブランデッドムービーが重要な役割を果たすというのです。実際に、SSFF & ASIAの運営母体であるパシフィックボックスは、オプト社をパートナーとして共同でBranded Movie Lab.を運営。ブランデッドムービーに関するノウハウの確率や、広告効果としての数字を可視化し、事例の蓄積に取り組んでいます。
ショートムービーの事例
ここでは、Branded Shorts of the Yearで表彰された動画の中から二つ、ショートムービーの事例をご紹介します。
Take Noteの事例
こちらは2017年のインターナショナルカテゴリーの受賞作品で、カナダにある文房具・雑貨屋「Take Note」のブランデッドムービーです。動画のストーリーは、ノートとペンと、それを使い文字を書く夫婦の手が映し出され進行します。恋人から夫婦になり、年老いていく中での人生の紆余曲折を描いていきます。
また、時代とともに使っていたペンが異なったり、晩年にはペンが変わらない事で、「このペンは長く使えるという事の表現なのか?あまりペンを使う事が出来なくなった夫婦の状況を描いたのか?」など、見ている人の想像力を刺激する作品でした。
引用元:Branded Shorts of the Year 2017 発表!
出典元:Branded Shorts of the Year 2017「Notes」
早稲田アカデミーの事例
こちらは第一回のBranded Shorts of the Yearでナショナルカテゴリーで受賞した株式会社早稲田アカデミーの事例です。子供の夢を応援する学習塾という事業について、動画の中では夢を追いかける子供の様子を印象的に映し出すことで視聴者へ目指す世界観を訴求しています。動画の中では、一見不可解な息子の行動とそれに困る母親の様子が映されていますが、ストーリーが進むにつれて様々な発見や驚きが隠されています。
僅か1分半の中で、日々の子供の行動を親の目線と子供の目線で別々に描く事で、企業のブランドメッセージの重要性を効果的に表現する一方、非常に完成度の高いショートフィルムとなっている
出典元:第1回Branded Shorts of the Year 発表!
さいごに
ここまでショートムービーについてその歴史や流行する理由、そして今後も重要になってくるということを事例を交えて解説してきました。ショートムービーは企業の目指す世界観などを消費者に伝える上では非常に有効なものですが、同時に共感を誘うようなストーリーや演出などはなかなか簡単にいくものではありません。プルークスでもショートムービー・ブランデッドムービーの制作実績は多数ございますので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。